2×4とは
ツーバイフォー工法は約150年前にアメリカやカナダで生まれた工法で、日本では戦後、昭和40年代に入って個別企業が大量に商品として住宅供給をするようになり昭和49年には技術基準が定められ、枠組み壁工法としてオープン化されました。
安全で快適な住まいを提供するのに最適な工法として日本の一般住宅に広く普及しています。木造でありながら基本性能が高く、耐震性・耐火性・遮音性にも優れ着工数は年々増えています。
ツーバイフォー工法の優れた特性は、壁・床・天井の面と線で支える6面体構造の枠組み壁工法と呼ばれ、在来工法が柱・梁で支えるのに対し、力が広く分散できるため地震や台風にも強い構造と言えます。
01耐震性
ツーバイフォー住宅は、地震の揺れを6面体の建物全体で受け止めて力を分散させます。地震力が一部分に集中することがないため倒壊・損傷がなく、地震に対して抜群の強さを発揮します。2011年に起きた東日本大震災では、補修をしなくとも居住に支障のない住宅は95%にあたり、高い耐震性が実証されました。(詳細はこちら)
02耐久性
ツーバイフォー住宅では、構造用製材に含水率19%以下の日本農林規格(JAS)に基づく乾燥材を使用しています。また、壁内に断熱材が充填されているため、室外と室内の温度差がゆるやかに緩和され、結露が発生しにくい構造となっています。この構造によって、木材の腐朽やカビの繁殖などを防ぎます。
03耐火性
ツーバイフォー住宅では、すべての天井や壁の内側全面に、厚さ12.5mm以上の石こうボードが貼られます。石こうボードの中には約21%の結晶水が含まれていて、炎があたると熱分解を起こして約20分もの間、水蒸気を放出するという優れた特性を発揮します。このため火災が発生しても、天井裏や壁の内部の温度が上昇しにくく、構造材が発火点(約450℃)に達するまでの時間を大きく遅らせることができます。
さらに、火の通り道となる床や壁の内側において、枠組材などがファイヤーストップ材となって空気の流れを遮断し、上階へ火が燃え広がるのをくい止めます。
04省エネルギー性
ツーバイフォー住宅は、断熱性や気密性に優れ、冷暖房効率が高いのが特徴です。外壁は枠組材に構造用面材を貼った大壁構造のため、枠組材の間に空気層をつくります。また、断熱材はその空気層に充填するため施工も容易です。構造体自体を断熱化し易く、気密施工も容易なために建物自体がもともと優れた断熱性・気密性を兼ね備えています。
05デザイン性
面構造で、しかも強固なモノコック構造なので、設計の自由度がきわめて高いです。たとえば柱のないスッキリした設計で、広々とした大空間のある建物をつくることもできます。また、屋根裏の構造がシンプルになるため、デッドスペースを活用することができます。例えば、収納スペースとして活用したり、屋根の勾配を大きくして採光用にドーマー窓などを設けたり、居室として利用したりすることもできます。